黄色の野菜の摂取は胃がん罹患リスクを下げる
カロリー制限不要なダイエット法として定着した感のある糖質制限ダイエットブームによって、高GI値*1の食品が敬遠される傾向があるようだ。
その食品の持つ健康効果を犠牲にしてまで高GI値食品を避けるべきだろうか。
高GI値の野菜
今回注目するのは、黄色の野菜である。緑黄色野菜として古くから健康によいとされてきた黄色の野菜の代表は、カボチャとニンジンだ。そのカボチャとニンジンは、どちらも中~高程度のGI値であるとされ、糖質制限健康法を信じる人々に敬遠されている。
※糖質制限ダイエットの健康効果については以下の記事を参照
GI値(glycaemic index)の不安定さ
かつてGI値は食品に固有のもので、同じ食品であれば血糖値変動の個人差は大きくないと考えられていた。ところが以下の研究のとおり、GI値は個人差が大きく、万人向けの指標にはならないことが分かってきた。
例えば、ジャガイモのGI値が資料によって40~80前後と大きく異なるのはこのためである。
この研究によれば、算出されたジャガイモのGI値が、被験者ごとに大きく異なり、食品固有の指標としては使えないことが分かる。また、低GI値食品だけを摂取する人がより痩せるというエビデンスも確立していない。
胃がん罹患リスクの低減効果
信頼性の低いGI値に対して、黄色の野菜による健康効果は科学的に証明されている。
黄色の野菜を毎日食べる人は、ほとんど食べない人に対して胃がん罹患リスクが30%以上低くなる。
多目的コホート研究(JPHC研究)野菜・果物摂取と胃がん罹患との関連(PDF)
カボチャとニンジンは積極摂取すべき
以上のデータから考えると、胃がん罹患リスクを大きく下げる黄色の野菜(カボチャとニンジン)は、積極的に摂取すべきであって避けるのはもったいない。
また、GI値は個人差が大きく、糖尿病の危険性の高い人を除くとそれほど重視すべき指標とは言えない。
理想を言えば、セカンドミール効果*2を利用して、食後の血糖の上昇をおさえるナッツ類を先に摂取しておくことが、血糖値急上昇の懸念をも抑えられる完璧な食事法になるだろう。
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