科学的に実証されたナッツの健康効果
おやつの誘惑
「健康な乞食は病める国王よりも幸福である」と頭では分かっていても、小腹が空いたときのおやつへの誘惑はいかんともしがたい。そんな時に救世主となるおやつがナッツだ。
ナッツが食物繊維豊富で様々な栄養素を含んでいることを紹介する記事は山ほどあるが、特定の栄養素を含んでいることは必ずしもその食材が健康的である証拠にはならない。成分よりその食品そのものを摂取した際の健康への影響が調査されていなければ意味がない。
ナッツの十分な摂取は死亡率を約20%低下させることが科学的に実証されている。
[2013年文献] ナッツ類の摂取頻度が多いほど,全死亡リスクが低下(NHS+HPFS)|Worldwide文献ニュース
具体的に死亡率を下げる疾患は、心血管疾患死亡、心疾患死亡、癌死亡および呼吸器疾患死亡である。これはもちろん無塩無糖のナッツを食べた場合の結果だ。
ナッツの種類について
この研究ではナッツの種類を細かく分析はしていないが、地中で育つ落花生と木になるナッツを区別した解析では、有意な差は認められなかったそうだ。
日本で手に入りやすいアーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピーナッツを中心に好みで選べばよいだろう。
ナッツを好む人はもともと健康的だった
ナッツをよく食べる人のほうが、より健康的な生活を送っているという対象背景も興味深い。
ナッツの摂取頻度の多い人では少ない人にくらべてBMIや喫煙率が低く,身体活動量が多く,野菜,果物,アルコールの摂取量が多かった。
[2013年文献] ナッツ類の摂取頻度が多いほど,全死亡リスクが低下(NHS+HPFS)|Worldwide文献ニュース
この傾向はおそらくヘビースモーカーの味覚障害に影響されているのだろう。 味付けのなされていない素焼きナッツ類は、味覚の鈍い人には物足りなく感じられるはずだ。このように喫煙のネガティブ効果は間接的なものも多い。
もちろん死亡率低下の調査結果は、喫煙や持病の影響が調整されているため、ナッツを食べない人は喫煙率が高いから死亡率が高いわけではない。
ナッツは肥満の原因になり得るか
ナッツは高カロリーなので、肥満に繋がるイメージを持つ人がいるかもしれない。ところが多くのナッツは血糖値を上げにくく、むしろメタボリックシンドロームのリスクを下げるようだ。
ナッツはネットショップのコスパがよい
成城石井などナッツをまとめ買いできるリアル店舗もあるが、楽天やYahoo!ショッピングなどのネットショップで1kg単位で買ったほうがコストパフォーマンス良好だ。
「こわけや」、「西内花月堂」などが安売りの常連で、素焼きアーモンドなら1500円~2000円が適正水準となる。
アーモンド・くるみはいろんな店を試したが、今のところ飛びぬけて品質がよい店舗はないので、いくつか試して好みを見つけて欲しい。
最近では、楽天の「ラブリーナッツファクトリー」のアーモンドが高品質で美味だった。
くるみは素焼きの商品がほとんどなく、生の状態で販売されている。少し手間だが、耐熱皿に入れてレンジで約2分、あとは30秒~1分単位で混ぜながら様子を見て好みの焼き加減まで熱すると、焼き立てを味わえる。
なお、ミックスナッツがバランスよさそうに見えるが、各ナッツの品質が低いので、1種類ごとに購入することを勧める。
常温保存できて日持ちするナッツは、旅行や登山などに携行する軽食としても非常に便利なので、有効に活用して欲しい。
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