医療機関の敷地内禁煙
2000年以降、次々と医療機関が敷地内全面禁煙へ踏み切っている。
この流れは、喫煙があらゆる病気のリスク上昇の原因であることが明らかになり、「病院が禁煙に取り組むのは社会的責任」であると認知されてきた時代背景が大きい。
また、2006年から禁煙治療が健康保険の適用対象となったことで、禁煙外来を設ける医療機関が増加した。保険を適用した禁煙治療の施設基準に「保険医療機関の敷地内禁煙」*1が含まれることも敷地内禁煙の医療機関が増加した原因の一つになっている。
禁煙外来の病院で喫煙する医療従事者
病気を治すために訪れた病院で、受動喫煙被害に遭ったり、タバコ臭い医者に診療されては本末転倒なので、病院禁煙化の傾向は喜ばしことであるが、このご時世でも喫煙をやめられない医療従事者が存在する。
2016年に済生会江津総合病院(島根県江津市)と寺岡記念病院(広島県福山市)において、職員が全面禁煙の病院敷地内で喫煙をしていたとして、診療報酬を返還する事態となった。
本来、患者に禁煙を指導する立場にある医療従事者が、勤務中に喫煙をするなど言語道断である。
喫煙所を設置しても受動喫煙は防げない
WHOの見解では、分煙で受動喫煙を防ぐことはできないとされている。
以下は産業医科大学の大和 浩 教授による、「新幹線禁煙車両から高濃度のタバコ成分検出された」という古い調査結果である。
タバコの煙は空調の気流により喫煙禁止区域まで行き渡るため、喫煙可能車両に隣接する禁煙車が汚染されていたという。
この調査から10年以上が経過し、公共交通機関の禁煙化はそれなりに進んだ。しかしながら、屋内喫煙所のあるオフィスビルや喫煙席のある飲食店、地下街では、この例と同様のタバコ汚染が今でも起きている。
絶対安全な敷地内禁煙の病院内にあるレストラン
以上のように分煙の飲食店や禁煙なのに出入り口に灰皿のあるレストランは、受動喫煙被害から逃れることができない。ところが敷地内禁煙の病院内にあるレストランなら話は別だ。 タバコの臭いに敏感な非喫煙者の人でも安心して食事ができる。
『新鮮多菜 CAFE&RESTAURANT にんじん』
敷地内全面禁煙の南生協病院(名古屋市緑区)にあるビーガンレストランが、素晴らしかったので紹介したい。
アクセス良好
JR東海道本線:南大高駅から徒歩3分の立地で、高速道路の大高ICからも近くアクセスはとてもよい。 病院の駐車場が利用できるほか、隣にあるイオン大高店の3時間無料駐車場を利用するのも便利だ。
レストランはロータリーにある別の建物に入っているので、病院に用はなくても気軽に利用できる。
新鮮多菜 CAFE&RESTAURANT にんじん公式サイトに設計士のコメントがあり、「森林に足を踏み入れる」イメージで造られたとのこと。木材が多用された店内は、スペース的にもゆとりがあり、落ち着ける空間に仕上がっている。
カウンター席もあるので、お一人様でも入店しやすい。
畑のプレートランチ1280円(税込み)を注文。
こだわり抜かれた植物性の食材を玄米と共に堪能することができる。
16品それぞれが丁寧に作られており、一品一品を味わうために自然とペースが遅くなる。大満足の内容で、特にプリプリのこんにゃくが印象に残った。
成人男性でも満足できる量があり満腹になったが、ドリンクとこれまたこだわり素材のデザートが、わずか400円で追加できるという。
乳製品不使用の豆乳ソフトクリーム&豆乳カスタードのクレームブリュレを追加。デザートにもまったく手抜かりはない。
受動喫煙の脅威から解放されるという安心感
タバコの煙をまとった喫煙者と遭遇する危険がほとんどないため、終始安心して食事を楽しむことができた。
三次喫煙の心配をする必要がない快適な空間がこれからもっと増えて欲しい。
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