ニコチン中毒の蔓延する国会
受動喫煙対策のための健康増進法改正議論の過程で、「日本の国会がニコチンに汚染されており、薬物中毒の国会議員によって国民の命が危険にさらされている」ことが明らかになった。
英国で電子タバコ規制緩和の動き
電子タバコとは似て非なる加熱式タバコ
■There is a need for more research that is independent of commercial interests.
・商業的に独立したさらなる研究が必要。
■The available evidence suggests that heated tobacco products may be considerably less harmful than tobacco cigarettes and more harmful than e-cigarettes.
・現在、入手可能なエビデンスによると、加熱式タバコは紙巻タバコよりも害が少なく、電子タバコよりも有害である可能性がある。
■With a diverse and mature e-cigarette market in the UK, it is currently not clear whether heated tobacco products provide any advantage as an additional potential harm reduction product.
・英国の電子タバコ市場において、加熱式タバコがリスク低減製品と考えられるかどうかは今のところ明確ではない。
なぜ「健康被害軽減」の話が「喫煙禁止区域開放」の話にすり替わるのか
「人体への長期的な影響がまだ分からなくても、英国で1年間で約79000人が喫煙により死亡していることを考えれば、電子タバコへの移行を推奨すべき」という主張自体は分からなくもない。
しかしさらに読み進めると、先進国では一般的になった屋内喫煙禁止規制の対象外にするよう勧告したという。しかもブレグジット(EU離脱)によってEUの規制から外れるタイミングに乗じて、電子タバコ広告やパッケージ表示規制を緩和するよう求めている。
これは議員が「喫煙禁止場所でもニコチンが吸いたい」と言っているようなものだ。
「すでに薬物中毒になってしまった人々をより安全な製品に乗り換えさせる」ことは考えられるが、「喫煙禁止区域で安全ではない電子タバコの使用を許可する」ことや「非喫煙者に電子タバコ喫煙習慣を広めること」は冒頭の趣旨とは異なり許されることではない。
■“Smoking takes a long time to do damage,” he said. “We’re 5 to 10 years into e-cigarette history. We’ve got another 10 to 20 years before we can say what’s true.”
・喫煙による健康被害が表面化するのは時間がかかる。電子タバコはまだ5〜10年しか歴史がない。我々研究者が真実を伝えるためには、さらに10〜20年かかるだろう。
英国衛生当局の報告にあるとおり、プルームテックなどアイコス以外の加熱式タバコは、まだ詳細な調査がされていない。
人体への長期的な影響が分からないものを「紙巻タバコよりマシだから」と安易に販売許可してはならない。それは政治的・経済的理由で普及させてしまった紙巻タバコの暗黒の歴史が証明している。
例えば電子タバコ・加熱式タバコの受動喫煙被害が1/10あるいは1/100になっていると根拠なく好意的に仮定してみよう。それで受動喫煙によって日本で死亡する年間15000人が1500〜150人に減少したとして、あなたは隣で喫煙することを許すだろうか?
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