糖質制限が死亡率を高める(条件付き)エビエンス
近年、糖質制限がダイエット方としては息の長いブームとなっているようだ。また、近代和食の中心となる白米が糖尿病のリスクを上げる*1事からも分かるとおり、近年の健康ブームのキーワードは「糖質」である。
しかし、夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】」に目を通してみると、解説される糖質制限が最終的に健康的かどうかという知見について、必ずしも科学的根拠に基づいているわけではない。この著書に関しては、著者の医療経験などから導いた推測が中心であった*2。
医学界でも糖質制限についての見解が分かれる中、糖質制限が死亡率を高める(条件付き)エビエンスが発表された。
糖質制限と死亡率に関する論文のポイント
1.糖質制限(摂取カロリーに占める炭水化物の割合:30~40%)は、通常(40~70%)より死亡リスクが高い
この結果はカロリー摂取の代替食物を考慮しない場合である。
2.カロリーを動物性タンパク質と脂質で補う糖質制限はより大きな死亡リスクが認められる
赤い肉(牛肉や豚肉)の摂取でカロリーを補う糖質制限ダイエットは控えた方がよい。
3.カロリーを植物性タンパク質と脂質で補う糖質制限は死亡リスクを下げる
体重制限のために糖質を減らすなら、豆腐・卵・ナッツ・オリーブ油などの植物性のタンパク質と脂質でカロリーを補うことで、病気にかかりにくい身体を作ることができる。
5つの基本的な食材を意識すること
結局、白い炭水化物と精製された糖を科学的に健康によい(脳梗塞、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)食材に置き換えることが、健康への近道となる結論に変わりはない。
科学的に証明された健康的な食事
科学的根拠に基づいて健康になる『健康的な食事』に関する情報は、書籍、テレビ番組、インターネットなどに溢れかえっており、何が正しい情報なのか判断するのは難しい。2016年にディー・エヌ・エー(DeNA)が、WELQというサイトで命に関わる医療
最後に復習しておこう。
健康によいことが科学的に証明されている食材
- オリーブオイル
- ナッツ類
- 魚
- 野菜と果物(×フルーツジュース)
- 茶色い炭水化物
健康に悪いことが科学的に証明されている食材
- 赤い肉(牛肉や豚肉)(鶏肉OK)
- ハムやソーセージなどの加工肉
- 白い炭水化物・精製された糖
*1:White rice consumption and risk of type 2 diabetes: meta-analysis and systematic review
*2:筆者は科学的な健康法に関心があり、ダイエットに対する有効性については深入りしない
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